第10話 特選呉服「こまつ屋」―内装編

前回の取材から数日後また七日町を訪れた私は、町を方々したあと休憩のために某ファーストフード店に入ろうとしていました。しかし、そこでふと今回取材させていただいた「こまつ屋」さんに目が止まったのです。

こちらのお店は両隣のお店と比べると間口が狭く、ともするとあっという間に通り過ぎてしまいそうになってもおかしくはありません。しかし、店内の様子についつい目が引き寄せられてしまうのです。お店は手前に展示、奥が商品棚になっていますが、この奥にある商品棚に色とりどりの反物が並びそれが道を歩いていても目に飛び込んでくるのです。
それがきっかけで、私はこのお店に今回の取材を申し込むことにしました。

まずお店の前を通ると、展示品の置かれたショウケースに目が向きます。私が訪れたときはひな祭りの前で、かわいらしい雛人形と春らしい色合いや柄の帯が並べられていました。ちなみに雛人形は土人形で、米沢の相良人形だそうです。米沢の相良人形は仙台の堤人形・盛岡の花巻人形と並び東北の三人形に数えられている代物です。
そして前述したように奥にあるたくさんの反物に惹かれてしまいます。さらに店内に入ると内装のところどころに木材が使われしかもそれが飴色に染まりきれいなツヤをもっており、そこから生み出されるものなのか、安らかな雰囲気が訪れた者を包み込んでくれます。

取材を受けてくださったのは、この家の奥さまでした。お着物をきた姿は可憐で、終始にこやかに取材を受けてくださり、上品なたたずまいにこちらの始めの緊張もドンドンほぐされていったのでした。

いくつもの質問に一つひとつ丁寧に答えていただき、とても充実した取材となりました。さて、このあたりでどんな反物がおいてあるのか気になってくるところです。もちろん質問いたしました!しかし読んでくださっているみなさまにはもったいぶって申し訳ないのですが、反物については次週お送りしたいと思います。今週は内装編としてこのあたりで閉じさせていただき、次週、あらためて反物編をお送りしたいと思います。いったいどんな反物を見ることができるのか、お楽しみに!


(写真・文 西田朋未)

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