第6話 Blackbird

(このコラムはしばらくの間、過去振り返り形式でお届けします)

8月中旬
山形R不動産の仲介担当、よりも、今のところ農業にウェイトが傾きつつある 水戸です。
前5話まではつい力が入って、「コア(?)な文章が長すぎる」という指摘がチラホラ聞こえてきているので、少しゆる目にいこうと思います。

我が家には毎年「ツバメ」がやってきます。5月ごろ飛んできて、オフィス(・・・って言ってみたかっただけで、倉庫兼作業小屋ですが)の梁に巣を作り、2回くらい出産、子育てをして夏の終わりに巣立って行きます。ここ数十年、ずっと毎年。多いときは2~3家族でやってきて、それぞれがヒナを5~6羽生んだりするので総勢20羽以上のツバメがいることになります。

006_01.jpg家賃未払い、騒音、汚損問題の悪質入居者。今年もやって来ました。

この作業小屋では、その時期サクランボの選果や箱詰めや梱包、出荷といろんな作業をするんですが、この間、ヤツラはずっと頭の上で巣作りしたり飛び回ったりしています。
そうすると・・・問題は、もう おわかりでしょう。 そう。「糞」です。
これ、けっこうキツイ。
これまで、ウチの家族や繁忙期のパートさんなどの中で、頭や体に直撃弾を喰らった人は数知れず。毎年、作業中に犠牲者が出ると、必ず
「ツバメ、なんとかなんないのか? ツバメの巣、撤去して追い出した方がいいんじゃない?」
という話になります。
そうすると決まって経営者であった父が
「ツバメは幸福を運んできてくれる縁起がいい鳥なんだぞ。追い出すなんて絶対許さん!」
って強制撤去を許しませんでした。しかも、ツバメが来る時期は留守のときでも作業小屋のシャッター開けっ放しにして、いつ飛んで来てもいいように待ってたりして。
「今年はヒナが5羽生まれたぞ。ツバメちゃんめんこいべ~。」
なんて言ってる始末。。

006_02.jpg今年生まれたツバメちゃんたち。巣から出て飛び方の練習してるころ。もうすぐ巣立ちです。

倉庫にリンゴやラフランスを保存してる時は、絶対シャッター締め切ってネズミ捕りなんか仕掛けてるくせに、なんでツバメには優しかったりするんだか。しかも、そんな父が死んじゃったりして、ますます追い出すわけにはいかず、今年も巣立ちまで見守りましたよ。

それにしても、糞害には憤慨です。(← ちょっと恥ずかしい)
一番の被害者は作業後に毎日この倉庫の中で一夜を明かす、初登場! 営農マシーン0号「ライトエーストラック」(最大積載750kg)、通称トラック1号。
この位置に停めてるわけですから、そりゃ~毎日糞だらけ。
寅さん曰く、「結構毛だらけ、ねこ灰だらけ、おし○のまわりはクソだらけ」です。

006_03.jpgここに見えてる巣(二つ)以外にも、右側にあと四つ位あります。
006_04.jpgああ~かわいそうなトラック1号ちゃん。・・・写真とってるそばから爆撃を受けてます。

毎朝シャッターを開けるとこんな状態。
「くっそ~!(上手い?)お前ら、何偉そうに人んちの倉庫でウンコしまくってんだ!(怒)」
って心の中で呟きながら見上げると、
「はあ? おまえこそ、何人んちの下でウロウロしてんだ?」
っていう顔で見下ろされてるような、つぶらな瞳のツバメちゃん。

006_05.jpgお~い、ちゃんと飛べるようになって、来年も帰ってこいよ~。

今年は暑かったためか、ツバメたちは8月下旬近くまで旅立たず、毎日毎日半泣きで糞を拭き取ってから畑に出かけて行くのでした。


つづく

このブログについて

山形R不動産仲介担当の水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?

著者紹介

水戸靖宏(千歳不動産株式会社常務取締役)
山形R不動産における不動産仲介業務担当