春を過ぎ、すっかり夏の陽気で全国的には真夏日という日も少なくない季節。
ここ最近は天気が良すぎて畑の地面もカラっカラの干ばつ気味で、サクランボ園ではポンプを持ち出して潅水したりもしています。
そんな暑い毎日を少しでも涼しく過ごせるよう、あえて真冬のネタをお送りしましょう。
(・・・更新が遅れすぎてるのをポジティブな表現で表してみました。)
2014年 1月-3月
2014年、兼業4年目のシーズンです。
「こんな真冬に農作業?」って思ったあなた、このブログ読んでませんね?
果樹農家の真冬の作業といえば、そう、大事な剪定作業です!
一本一本の樹形を作る(整える)だけでなく、その樹勢の管理にも影響するため、次のシーズン以降、将来にわたって果実の作柄の良否を決める大事な大事な作業なのです。
1月、最初はラ・フランスから。
ある寒い日の早朝、いつものようにラ・フランス園に行ってみると、何やら枝全体に氷のトゲトゲがついていました。・・・霧氷です!
冷えた空気に頬っぺたが痛い(肌を刺すとはこのこと?)ようなコンディションでしたが、めったに見られない光景に得した気分になりました。
お日様が出始めると、霧氷はすぐに融けて消えてしまいましたが。
そしてまた別の日、ラ・フランス園の隣の畑に誰かの足跡が。
これは・・・?よく見てみると、動物の足跡のようです。
何か恐ろしいケダモノが周囲をうろついているんでしょうか?
猫でした。
ラ・フランス園は、周囲1km以上民家もない果樹園地帯の真ん中。
そしてまだ1月上旬から剪定作業をしているのは兼業農家の自分くらい。
(大抵の専業農家は2月以降、固雪になってからボチボチ剪定を始める)
この時期は真っ白な雪で覆われ、物音もほとんど聞こえない、自分以外には誰もいない畑に、ポツンと一人だけという孤独な環境です。
そんな時に訪れたゲストに、思わずちょっと癒されたりします。
猫も冬になって誰もいない畑の中で、きっと寂しかったのかもしれません。
2月に入り、ラ・フランスの剪定にメドがついたら、今度はリンゴです。
平日は会社勤めの兼業の身ですから、選定作業は週末しかできません。
毎週土日、雪が降っても、寒くても、一人黙々と畑に通い、枝の一本一本と向き合う日々。
まだまだ技術的には駆け出しですが、これでも3年目の剪定作業、一本一本の樹の形を把握して、不要な枝はどれか、どれぐらい切るか、枝をどっちに伸ばすべきか・・・など、少しは考えながら切ることができるようになった気がします。
3年かかって、やっと樹を見ることができてきたのか、樹を眺めるのがおもしろくなりました。
父が長年手塩にかけ、樹形が完成した樹齢40年にもなる成木などは、幹から四方に枝を張り出し、中心部が空いていることで全ての枝にきちんと日が当たる形になっているんです。
これから樹形を作っていく若木も、こんな風に仕立てていけばいいんだな。
なんて、父から技術を習っていない自分にとって、実は師匠は畑にいたのかも。
そして3月、やっとリンゴを終え、サクランボの剪定開始!
季節は着実に春に近づき、根回りの雪が融け始めていました。
一冬かかった剪定のラスト、サクランボが約100本。
なんとか3月中に終わらせたい!
でも季節は待っててくれず、気温が上がってくると、あっという間に雪が融けていきました。
こうなるとだんだん焦ってきます。
週末だけでは間に合わず、早朝まだ薄暗い中、出勤前の朝仕事。
ラストスパートです!
そんなこんなで、剪定、剪定、剪定に明け暮れるうちに、3月も終了。
やっと、剪定作業も終了。。
さて、4月になれば間髪を入れずに春作業。すぐに繁忙期に突入。
ああー、エンドレス。時間に追い回される日々が続きます。
つづく