第1話 山形のまちなかはどうなっている?

東京R不動産のディレクターである馬場さんが、山形にある東北芸術工科大学の建築・環境デザイン学科の准教授に就任したとき、もはや山形R不動産ができるのは決まっていた。

梅雨はじめの6月。山形R不動産オープンに向けての準備が始まった。
10数人の学生たちが、蔵付き、庭がある、古い建物、といった山形らしい物件を求めて、山形市内の空き物件探しに行ってきた。

探しにくりだした僕らのR不動産のイメージは、
「おもしろ空き物件を紹介しているウェブサイト」
という漠然としたものだった。
だから当然山形R不動産でも「おもしろ空き物件」を紹介するしかないと思って、「おもしろ空き物件」を探しにいった。

こんな蔵だったり


倉庫だったり


結構おしゃれな家だったり。

だけど考えて見れば、僕たちが思ったほどものすごい物件はそんなにないのは明らかだ。
「まちにはおもしろ物件がごろごろあるんだろうな」
と、思っていたがそんなのは一握り。集まった物件はほんのちょっと。

「期待しすぎてテンションが落ちる」そういう気分だった。