#11 臨機応変のリノベーション計画
部屋の壁を白く塗りながら、柱の色はどうしようかと迷う。いっそ全部、白に塗ってしまおうか。
そもそも、なぜこの家の柱はグレーに塗られていたのだろうか?
実はこのグレーの下にはとんでもなく汚い木目があって、それを隠すために塗装を…

なぜか入居時からグレーに塗られていた柱
そんなことを思いながら、ちょっとした好奇心で、ちょっとだけ柱を削ってみれば…

なんだかいい感じ
おお!キレイな木目じゃないか!
「よし、これはペンキを塗らない。逆に塗装を剥がそう!」
まさに臨機応変で部屋の完成イメージを頭の中でどんどん更新。
それでも機械を使わずに手で削ると柱一本でも1、2時間かかってしまいそう。これでは体力が持たない…
「よし、この柱1本だけ木目を表して、この柱を基準に奥はワークスペース、手前はリビングのような使い方しよう!」
これまた臨機応変。完全に後付け論で、単に体力の無い自分の行動を正当化していきます。

やっと柱1本を削り終え、その他の柱は白く塗装。
この日のうちに、奥の方は塗装が終わったので半分だけ養生を剥がし、やっと少しだけ生活空間確保!
奥の塗り残し部分は、ただのペンキ切れ…
ではなく、壁は全部白く塗ろうと思いましたが、それだとつまらないのでとりあえず保留にしてあります。
たぶん、この壁の仕上げも臨機応変に変わっていきそうです。
(文・写真=石母田 諭)

「改装OK物件」という言葉に惑わされ、無計画なまま勢いで引っ越したのはボロボロの平屋 (良く言えばノスタルジック)。そんな物件に山形R不動産の石母田が実際に住み、自分の手で少しずつリノベーションをしながら暮らしていく。

石母田 諭(いしもた・さとし)
1990年 宮城県石巻市生まれ。2015年 東北芸術工科大学大学院 環境デザイン領域修士課程修了。在学中は山形R不動産の活動に参加。解体予定の空き家に住み、改装しながら暮らす日常の様子を綴った「セルフリノベで暮らす」をプロジェクトブログとして発信。2015年〜株式会社オープン・エーに勤務。