第42話 God Only Knows
2013年 3月
3月に入ると好天が多く、日中の気温が10℃を超える日も出てきました。
「2月いっぱい」の目標を少しだけオーバーして、リンゴの剪定はようやく3月2日で完了。
難易度が高く(自分基準)、丁寧に取り組んだリンゴの剪定なので、まずまず予定通り。
次はいよいよ剪定作業のラストスパート、サクランボの剪定にかかりました。
サクランボに関しては、昨年の剪定作業の反省を踏まえて、収穫後の7月下旬に夏切り(夏剪定)して大枝を落としているので、この春は細かい枝の整理だけ。

3月3日、サクランボの剪定開始。
お彼岸を待たずにすっかり春の陽気が続き、一日ごとに雪が減っていくのがわかります。

3月9日、木の根周りは土が見えてきました。
サクランボの花芽も、いくらか膨らみはじめた感じ。

サクランボの花芽も膨らみはじめ。
家から一番遠い畑(約10アール)を速攻で終え、自宅近くの畑(約20アール)に移動してみると、こっちはさらに雪解けが早く、ほとんど地面が出てきています。

3月10日、自宅近くの畑ではほとんど雪がなくなってる!
春のポカポカ陽気の中、先月までの、あの「八甲田山死の行軍」を思わせる雪との戦いなどすっかり忘れ、サイコーに気持ちイイー!

下から枝を見上げると、こんな感じ。
一本一本、枝を見上げると、その上には青空が。気分はサイコーです!

3月20日、完全に雪は溶けて無くなりました。
気分は最高ですが、全部で40アール(合計80本)のサクランボ、数日では終わりません。
気温が高いこともあって、モタモタしているうちにどんどん季節は進み、完全に春です。
こうなると、急に焦ってきます。
気持ちイイー!なんて暢気なこと言ってられなくなってきました。
そして、早くも農薬調合組合から今年度最初の防除予定が届きました。
気温が高く雪解けが早かったため、花芽が動き出し、予想外に成長が進んでいて、なんと、今年最初の消毒(防除)は、昨年より2週間も早い!(想定外!)

3月29日、今年最初のラ・フランスの消毒。
組合の一斉防除ですから、「オレ、まだ剪定終わってないから」なんて理由で防除を遅らせることは不可能。剪定途中なのに、3月29日にラ・フランス、30日にサクランボを消毒。
結局「3月いっぱい」で剪定を完了する目標(計画?希望?)通りにはいきませんでした。
自然の恵みと植物を相手の農業、このあたりは仕方ないのですが。。
そして最初の消毒が春の到来を告げるように、本格的に農業シーズンもスタートです!
4月1日に稲の種籾の消毒、4月中旬には播種、田んぼの耕起と次々予定が入ります。
・・・むむむ・・・。
ますます焦りながら、なんとか早目に剪定を終えるため、一日に1時間でも進めたいと思い、4月に入ってからは平日の出勤前に朝仕事を開始しました。

早朝5時半、まだ日の出前。早朝はけっこう寒い。。
まだ薄暗い朝もやの中、黙々と剪定。

4月4日、サクランボの花芽、こんなに膨らんできました。
そして、やっと、4月5日、剪定作業を全て終了しました。

4月5日、ようやく剪定終了。
技術的には決して満足できる出来ではありませんが、今年もどうにか剪定作業をこなすことができました。これでなんとか春の作業に移れます。
今年の剪定はどうだったか。今年の花は、結実は、どうか。
全て夏から秋の、それぞれの収穫期に結果が出ます。
ああ・・・やっぱり自信ない。
つづく

山形R不動産メンバーの水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?

水戸靖宏(山形R不動産/千歳不動産・マルアール代表)
山形R不動産の代表であり、千歳不動産株式会社の代表取締役、そして株式会社マルアールの代表も務め、さらに現役の兼業農家として、ラ・フランスやさくらんぼを栽培。