2014.1.28

第49話 Eight Days a Week

水戸靖宏(千歳不動産株式会社)
 

時の流れは早いもの。

どんなに貧しい人にも、どんなに裕福な人にも、全ての生きとし生けるものに、神が与えた唯一の「平等」なもの、それが「時間」だとか。

時の流れはとどまることを知らず、ダッシュしている人にも、足踏みしている人にも、寝ている人にも、とにかく誰をも待ってはくれず、無情に時間は過ぎ去っていくのです。

後悔先に立たず。やり残したことや、失敗したこと、あの時やってれば・・・なんて悔やんでみても後の祭り。ドラえもんがいない現代社会では、時間は決して戻ってくれないのです。

「あああっ!」・・・という間に時間が流れ、ブログを放置して早4か月・・・

大変ご無沙汰いたしましたが、みなさまお元気でお過ごしでしょうか?
ちょっと気を失ってる間に、気がつけばもう年も改まり1月下旬。

まことに申し訳ございません。もはや言い訳をする術もありません。

とにかく、私はまだ、会社も農業もブログも辞めていません。

そんな訳で、農園の仕事をスライドショー的に振り返ってみます。

2013年 7月、8月
一年で一番ハードなサクランボの作業を終え、今度はラ・フランスとリンゴの摘果作業。

一つ一つの果実に栄養が行きわたるよう、大玉で美味しく育てるために大切な作業です。

7月14日、ラ・フランスの摘果作業

7月20日、リンゴの摘果作業

摘果を一通り終え、出穂間近の田んぼを見回りしてみると、何やら田んぼの真ん中あたりの稲だけが異常に成長しているように見えます。

???

7月26日、田んぼの見回り。なんか、モヒカンっぽく真ん中付近が盛り上がってる?

田んぼに入ってよく見ると、周囲の稲より丈が高い稲が?いや、稲じゃなく「稗(ヒエ)」!

ひえ~!・・・このままでは、ヒエに養分を取られて稲の生育に悪影響が出てしまう。

ヒエは稲と同じイネ科の植物で、栄養価も高く昔は主食としても食べられたものですが、(現在も健康食として雑穀メシに入れて食べられてます)野生化して田んぼに生えてくると、生命力が強く稲を負かしてしまうため、今では米の生産者には厄介な雑草なのです。

よーく見ると、ヒエが異常発生!

昨年は、「オモダカ」が異常発生し除草剤を散布しましたが、今年は「ヒエ」が・・・
(昨年の「オモダカ」→第28話参照

ここまで成長していると除草剤ではムリ。地道に一本ずつ抜き取るしかありません。
7月下旬、真夏の暑さの中、田んぼに入ってヒエ抜き作業。数日かかりました。(泣)

やっとヒエ抜きのメドが立ったころには、出穂が始まっていました。

8月1日、稲の穂が一斉に出てきました!

田んぼの草取りがひと段落し、2週間前に摘果したラ・フランス園に行ってみると、今度はこっちが草ぼーぼー。・・・あっちもこっちも草だらけ。
今年は雨が多かったからか、雑草の成長が早い!?

8月3日、今度はラ・フランス園が草ぼーぼー。

・・・愚痴っても始まらない。夏場は雑草との戦い。草刈機1000MASAOの出番です!

頼んだぞ!MASAOくん、つっても自分が運転ですけど。

普段の管理作業で、除草するときは一気に全ての園地を回っているので、ラ・フランス園が草ぼーぼーなら当然リンゴ園もサクランボ園も草ぼーぼー。順に全ての園地を一回り。

除草完了!「農園をいつもきれいに」が水戸農園のモットーですから。

そしてお盆も近づいたころ、田んぼでは出揃った稲穂に「稲の花」が咲き始め。

8月11日、「稲の花」が咲き始めました。見えるかな?

稲穂についてる白いカスみたいなのが「稲の花」。

稲の花に見とれているうちに、また目を覆いたくなる光景に気づきました。

・・・今度は田んぼの畦が草ぼーぼー。

8月16日、田んぼの周囲全部の畦(合計500mくらい?)が草ぼーぼー

そしてまた一人黙々と、今度は肩掛け刈払機で草刈り。
お盆のクソ暑い時期、土日だけでは足りず出勤前の早朝もコツコツと。

「田んぼの畦もきれいに!」も水戸農園のモットー。(か?)

2年前、父が亡くなり兼業を始めた当初は、身内が心配していろいろと手伝いにきてくれましたが、3年目ともなると誰ひとり・・・当然ですけど。まったく世知辛い世の中です。

いや、いいんです。つい誰かに頼りたくなる弱い自分が悪いのはわかってます。
これでも経営者ですから、自分がやりますとも。やるっつったらやるよ!一人で!(大泣)

・・・・・・・・・・

お盆のお墓参り以外は出かけることもなく、平日会社にいる時間を除くほぼ98%農作業。

こんな風にして夏が終わっていきました。。


つづく

このブログについて
 

山形R不動産メンバーの水戸靖宏が、ある日突然兼業農家になり、戸惑い、苦悩し、時折愚痴を言いながらも、楽しく農地と向き合っていくストーリー。後継者不足で増え続ける空き農地。山形R不動産では物件ばかりではなく、農地や農業も紹介してしまうのか!?


著者紹介
 

水戸靖宏(山形R不動産/千歳不動産・マルアール代表)
山形R不動産の代表であり、千歳不動産株式会社の代表取締役、そして株式会社マルアールの代表も務め、さらに現役の兼業農家として、ラ・フランスやさくらんぼを栽培。

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