#22 いつものこと
一軒家に住んでいると、いろいろな訪問者がやってくる。
町内会費を集めにくる人。
回覧板をもってくる人。
近所のお祭りの時にお酒を持ってまわってくる人。
宅配牛乳の営業に来る人。
アパートに住み、せいぜいインターネット回線の営業くらいしか訪問してこなかった以前と比べると、ほんとうにいろいろな人がやってくる。
そんなときに大体言われるのが。
「あら…お父さんかお母さんいます?」
という言葉。それに対して、
「僕いま大学生で、ここで一人暮らしをしています。」
と言っても、なかなか信じてもらえない。
この子、嘘ついてるな…といった冷ややかな視線はいつものこと。
大学生で一軒家に一人暮らしをするのはまだまだ珍しいことなんだと、再認識する瞬間である。
(文・写真=石母田 諭)

「改装OK物件」という言葉に惑わされ、無計画なまま勢いで引っ越したのはボロボロの平屋 (良く言えばノスタルジック)。そんな物件に山形R不動産の石母田が実際に住み、自分の手で少しずつリノベーションをしながら暮らしていく。

石母田 諭(いしもた・さとし)
1990年 宮城県石巻市生まれ。2015年 東北芸術工科大学大学院 環境デザイン領域修士課程修了。在学中は山形R不動産の活動に参加。解体予定の空き家に住み、改装しながら暮らす日常の様子を綴った「セルフリノベで暮らす」をプロジェクトブログとして発信。2015年〜株式会社オープン・エーに勤務。