第39話 アジアハウスの新展開。都市を刺激する。

昨日あたりから、アジアハウスの1階に夜も明かりがつき始めた。

中をのぞくと、壁際に置かれたモチーフを見つめ、作品をつくるミサワクラスのマツジュンさん。
いろいろ落ち着きはじめた最近、ミサワクラスのメンバーが、作品制作を再開し始めた。
実は今、2月にミサワクラスのオープンスタジオを考えています。今回はみんなで何かをつくるのではなく、個人の作品を展示しようという企画。
今までは自分の部屋で作品を制作していたが、最近手狭になり始め、もう少し広めのスペースが必要になったのです。
そこで隣のアジアハウスを、2月までの短期間だけ借りることになったのです。

アジアハウスの1階を、さっぱりとしたアトリエに使うこの感じ、
見ていてかっこいいと思った。
このRC造の無骨な空間で、工業用品の照明の下、何かに向かって祈っているような姿が良かった。

通りのシャッターが降りているけど、この姿は街に開き、もっと見せるべきだと思った。本人はシャッターを開けて制作をすると、
「見られている感じがして、気が散る。」
と言うが、このインパクトはそれを我慢してやる価値があると思う。
街にとって、この光景は異質だ。マンネリ化した街の人の脳を刺激してくれる力を持っている。
何かが起こりそうな予感と、小さな期待を抱くと思う。
これは、都市を刺激するアクションだ。

山形R不動産草創期、2009年から2013年にかけて、当時の東北芸術工科大学の学生たちが山形市内の空き物件を探し、実際に再生していったプロジェクトダイアリー

黒田良太
鈴木芽久美
山本将史
工藤裕太
佐藤英人
石母田 諭