第50話 ほぼ完成しました。
業者さんによる工事が終わり、後は僕たち学生・入居予定者によるペンキ塗りと棚や机の制作を残すだけとなった。
普通に白く塗る作業は、以前他の建物で経験したので、以前とは違うペンキを使うことにした。
今回は業者さんからの紹介もあり、下地用のペンキを含んだペンキと黒板塗料を選択した。

個人室の入り口から部屋を見る。南に面した窓からの光が、より部屋を白く見せている。
今回はさらにここから、床も少し白みがかった木目にしていく。
今回も構造用の合板を床材に使用しているため、ささくれがどうしてもある。
それを押さえるために、塗料をしみ込ませている。
また、ペンキの使い分けとして、個人の部屋は白くペンキを、シェアキッチンには一部黒板塗料を使った。

シェアキッチンの様子。窓際の壁面に黒板になっている。
実は、シェアキッチンの窓際の壁だけでなく、他にも黒板塗料が使われている箇所がある。洗濯室の壁など、みんなが使うところにみんなに向けたメッセージを書くためだ。
今はメールとかいろいろ発達しているけど、共同生活の中ではちょっと違う。
実は、黒板というアナログツールがコミュニケーションを円滑にするためのハイテクツールになっているのだ。
これから共同生活が始まっていくが、そんな共同生活独特の空間やツールの使い方を、次回は書こうと思います。

山形R不動産草創期、2009年から2013年にかけて、当時の東北芸術工科大学の学生たちが山形市内の空き物件を探し、実際に再生していったプロジェクトダイアリー

黒田良太
鈴木芽久美
山本将史
工藤裕太
佐藤英人
石母田 諭