第89話 花小路でも山形じゃあにぃ

山形県のご出身である絵本作家、荒井良二さんが東北芸術工科大学美術館大学センター主催のもと、2年ぶりに山形じゃあにぃを開催し、無事にイベントの終了を迎える事が出来ました!<荒井良二の山形じゃあにぃ2012>

そう、みなさんもお気づきの通り、連続テレビ小説「純と愛」のオープニングイラストは荒井良二さんが描いている作品なのです!
荒井良二さんの独特の世界観で描かれているオープニングを見るたび、今日も一日が始まるのだと感じられますね。

それはさておき、今年の荒井良二の山形じゃあにぃの会場は、「山形まなび館」をメイン会場に「東北芸術工科大学やまがた藝術学舎」、それから山形R不動産のプロジェクトで生まれたシェアハウスの「ミサワクラス」「花小路トランク」で行われました。

p_journey_01.jpeg花小路トランクでは、看板の設置も完了し花小路の新たなシンボルが出来ました。

会場の至る所に荒井良二さんの素晴らしい世界観のある絵が展示されており、遊び心をくすぐるような多くの独特の"キャラクター達"が、会場内を飛び回っているように見えました。また味のあるタッチで描かれた多くの風景画も非常に印象に残りました。

山形R不動産では、会場の1つの花小路トランクを担当させて頂ました。
私たちは、このような地域とのコラボレーションしたイベントに携わることでどのような事を提案・紹介していく事が出来るのだろうかと言う事を何度もミーティングを行い話し合いました。その中で、中心街にあり便利なはずのシェアハウスがなかなか空室化から抜け出せない状況から、シンプルに「七日町・花小路トランクで楽しく住むには何が必要なのか」をテーマに展示・オープンハウスを行うことにしました。

開催される前の10月4日には、プレイベントとして花小路トランクを会場に「アンテナ!」を行いました。ゲストとして荒井良二さんをお迎えして、東北芸術工科大学の馬場正尊教授(東京R不動産/open-A)と宮本武典教授(キュレーター/美術館大学センター)の3人の対談をメインに私たち山形Rメンバーも参加しました。

p_journey_02.jpg

荒井良二さんの高校時代までに山形で体験した面白いトークをスタートに、"七日町で楽しく住むには、こんなものがあったら"というものを、観覧された会場内のみなさんとともに、現実的なものから非現実的なものまでを妄想して提案していき、そのみなさんの妄想から生まれたものを荒井良二さんが、その場で作品にしていくコーナーへ。

最後に花小路トランクの壁に荒井良二さんがライブペイントを行いました。描いてくださった絵は、暮らす人々を守る「守り神」。
3人のなんとも可愛らしい子供のキャラクター達でした。

p_journey_03.jpg期間中には、黒板に妄想から生まれたドローイングが展示されました。

p_journey_04.jpg花小路トランクには、階段や至る所に守り神が飛び回っています。

開催期間の10月7日(日)から10月31日(水)までの期間内に様々なイベントが行われ、7日はオープニングイベント「なりきり荒井良二100人の写生大会」で七日町にはイベント参加者の子供から大人まで鼻付きのメガネをつけて、町の中に繰り出して荒井良二さん風にスケッチを行う、なんともおもしろいイベントが行われていました。
普段の七日町とは違い、買い物を目的に歩いている人々の風景に画板を持って街を描こうとする人が混じり合って新たな街の一面が見ることが出来ました。

10月20日には「ジャガーの夜」という、山形市内にあるクラブ・ジャガーを会場に、荒井良二さんがペイント&ギター&ヴォーカルを務めるバンド「荒井良二と連絡船」が夜からライブを行いました。

花小路トランクのシェアスペースは、ジャガーに近いため開場までの待ち合いスペースと化していました。
イベント時に限っては、シェアハウス内だけのシェアスペースではなく、街のシェアスペースになり得るのですね。

2012年の荒井良二の山形じゃあにぃは、たくさんの方々の協力のもと、幕を閉じてしまいました。

「荒井良二の山形じゃあにぃ」のようなイベントが成功することが出来た山形は、着実にアートとデザインの文化が根付いて来ています。

2年後の開催に胸踊らせながら、私たち山形R不動産も山形の可能性を探していきます!