第67話 始発電車の旅 仙台~山形

近頃の仙台ー山形間の行き来の手段といえば、高速バス。
でも、それ以前は仙山線(仙台ー山形間を結ぶ路線)が主流でした。

今となっては時間も手間もかかる仙山線での山形への旅路。
あえてそれを選ぶ事で、普段得られない発見に出会う事もあります。
       
山形行きの始発電車は様々な出会いに溢れているのです。

p_shihatsu_01.jpg午前6時17分、北仙台駅はまだ夜明け前。

遠くの空にうっすらと朝日を臨むだけ、人影もほとんどありません。
この日の朝の気温は-2度、寒さで顔が痛いくらい。

p_shihatsu_02.jpg北仙台駅出発から約20分、県境に程近い作並駅に到着。

気温は一段と寒くなり、車内の窓ガラスはうっすら白く結露し始めます。
県境に近くなるにつれて、次第に雪の量も多くなっていきます。

県境のトンネルを抜けると、すぐに「おもしろやまこうげん」駅に到着です。
そこはまるで別世界といった光景。

p_shihatsu_03.jpg下車する人の格好、装備もまさに極寒仕様といった感じ。

「ああ、山形に来たんだ」
と、実感させられる瞬間です。

p_shihatsu_04.jpgおもしろやま高原駅を出て山間を抜け山寺駅に着く頃には東の空に朝日が昇ってくる。

日の出時間が遅い冬場は、この地点にさしかかって、ようやく辺りが明るくなってきます。
そして、人の乗り降りも次第に多くなってきます。

p_shihatsu_05.jpg終点山形駅が近くなるにつれて通学中の高校生達が眠そうな顔で続々と乗り込んでくる。

車内に差し込む朝日に照らされながら、部活やテストの会話に花を咲かせる高校生達を見ていると、どこか懐かしい気分になります。
        

p_shihatsu_06.jpgまもなく終点、山形。

終点「山形」駅に着く頃にはすっかり日も昇り、人も街も動き出しているのが、車窓からの眺めでもはっきりとわかるようになります。
風景や季節の移り変わり、人々の営みを感じ、常に新しい発見のある仙山線。
 
特別な観光地に行かなくても、ただ無心で乗り込むだけでも、十分山形の魅力を感じられると思います。

(文・写真=小野岳)

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どこかおかしい東北芸工大生たちが、山形市のいいお店、きれいな景色、おいしい旬な食べ物などを紹介していく。住んでいる人も知らないものもここには載っている。まさに山形ミ○○ラン!!彼らの「山形でのあそびかた」はこんな感じ。

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