山形市の中心街に大正時代から残る西洋館
そこは今では使われていない写真館
時代を映してきた写真館は今ではその当時の風景を現在に映している
現在は10年くらい前に閉館されて営業はしていない
写真館の1階は居住空間となっている
そこを通って階段を上がると2階は撮影室になっていて、当時の風景をフィルムに焼きつけたように時間の止まった部屋が残されている
窓ガラスや待合室、1995年で止まっているカレンダー、写真機
すべてがそのまま残されており、今にも時計の針が動きだしそうな雰囲気で包まれている
窓ガラスには代用するものが無いような模様が入っている
撮影室はちょうど屋根がかかっている部分にあり天井がやけに高い
昔は撮影の際に太陽の自然光を使っていたために屋根に大きな窓があったそうだが今では塞いでしまっている
そして使われるようになったライトも現在でさえも違和感のあるような変わったデザインだ
経営者だけが居なくなり写真館としての機能は時が止まったまま残っている
建築的な古さは外観も内部の床や柱に表れているがまだ息をしている
この空間に新たな要素を加えて人が集まり流れが生まれれば、まだまだ活用できる建築である
現在住んでいるおばぁちゃんも地域的な開放を望んでいる
これまでとは違った活用法を見出せば止まった時間がまた動き出すことだろう
■ADDRESS
西村写真館 (1921)
山形市本町2-1-51
(文・写真:青山京平)