3月11日午後3時ごろ、地震の揺れによりアパートが停電しました。
どうしようもなく心細くなった僕は大学へ。
そこで友人たちと合流し、どうするかを話し合いました。
その日の山形市の天候は雪。
徐々に日が暮れてくると、さらに気温が下がります。
停電で明かりもなく、暖房器具も使えない夜を過ごすのは大変だと思われました。
ろうそくだけの夜。不安を和らげてくれたのは、エコハウスの暖かさ。
市内を友人とともに移動し、最終的にたどり着いたのは山形エコハウス。
その頃にはすっかり日も落ち、外の寒さはだいぶ厳しいものになっていました。
エコハウスの中に入るとまず、
「暖かい!」
室内の温度計を見ると、19℃。
約9時間前に暖房を切っていたにも関わらず、まだ暖かな室温を保っていました。
その日はそこで余震に怯えながら不安な一夜を過ごしました。
友人たちが居たこと、そして山形エコハウスの温もりが唯一の救い。
この夜、僕は、高断熱・高気密の重要さを、思わぬかたちで再認識しました。
(文と写真=工藤裕太)